最近のフィギュアスケートを観ていて思うこと
毎日熱戦が繰り広げられている冬季オリンピック。
フィギュアスケート競技は終盤にかかり、今日から女子の個人試合が始まりました。
普段あまり興味のない方でも観戦して応援したりしていることと思います。
ここで最近感じる全般的なことをちょっと書いてみます。
男子はここ数年でぐんぐんレベルが上がり、数年前まではプログラムに1つ入れるか入れないかだった4回転ジャンプを複数回跳ばなければトップになれない時代になっています。
その昔、プログラムに3A(トリプルアクセル=3回転半)やクワド(4回転)を入れることは今よりもハイリスクでした。
その頃のルールは回転が足りないと回転数判定が一気に一つ下げられたりしていました(ダウングレード=現在は2分の1以上の回転不足で適応)。
例えば3Aで回転が4分の1以上足りないだけでも基礎点が2Aの点数しかもらえず、しかも失敗で転倒したりするとGOE(出来栄え点)でもマイナスになり、かなり点が低くなってしまったのです(現在は少し足りなくても4分の3以上周っていれば基礎点はもらえる。2分の1から4分の3未満だと基礎点の70%=アンダーローテ)。
(かつて浅田真央さんが3Aを試合に入れていたころも2A判定になってしまう時代が長かった)。
なので、そのリスクを冒すよりも4回転を入れずジャンプの完成度をあげる戦法にでる選手も多く、実際バンクーバーOPの男子金メダルのライサチェクは4回転を1度も跳びませんでした。
ルールが変わってからは4回転に挑戦する選手がぐんと増え、複数回、種類もトーループだけではなくサルコー、フリップ、そしてルッツも4回転にする選手が出てきました。
4回転の基礎点は高く、成功するか否かでがらっと順位が変わってしまうので、チャンピオンといえども安心できないといえますね。
さて、ここ最近、特に女子でみられるのが基礎点が1.1倍になる演技の後半にジャンプを集中して入れる構成のプログラム(これもその昔はなかったルール)。
そして、GOEを上げるためにロシア選手がよくやるタノジャンプ(片手をあげるジャンプ)。
もう、最初からタノジャンプで練習しているのではと思えるほど。やたら連発しすぎているし、中には手のあげかたもあまりきれいとは言えない選手も。
難しいとはいえ、このタノを入れると出来栄え点が上がるというのはちょっと考えた方がいい気がします。
あとは女子でも3-3を入れる選手、そしてその3-3のなかでも難しい種類の3-3を跳ぶ選手が増えてきましたね。
かつては村上佳菜子さんや鈴木明子さんが跳んでいた一番レベルが低い2つともトリプルトゥループの3-3も多かったんですが、最近はファーストジャンプをフリップやルッツでセカンドにトーループ、そしてループを付ける選手もでてきて、観ていて面白いです。
特に私のすきなのは、かつて真央ちゃんや安藤美姫さんが得意だったセカンドの3ループ。
着地の足でそのまま跳ぶので、3トゥループよりずっと難しいのですが、トゥループのようなジャンプとジャンプの微妙な間がなく、リズムがあって美しいです(*^^*)。
ルールは年々変更しています。
よく歴代最高点などと言いますが、ルールが違うので比べても意味がないのでは?
同じシーズンの個々の選手のパーソナルベストは意味があると思いますけどね。
オリンピックに話を戻しましょう。
女子ショートの演技が終わって上位は予想通りロシアのザキトワとメドべージェワ。
宮原選手と坂本選手、この上位の2人選手が失敗をしないかぎりは金・銀メダルは厳しいかなとは思いますが、なんとか銅メダルに手が届いてほしいなぁ。
特に坂本選手は実績が浅いので演技構成点で高得点が出にくく厳しいとは思いますが、お二人とも悔いの残らないフリー、期待しています。